二重人格神様



「えーと、グレン君?」

「いのり、僕たちがいなくなった後、お兄様と何があったの?」


「ええっ!?」


「あれから、いのり更におかしくなったもん!」

「うっ」


思わぬ質問にページをめくる手が止まり、それをみたグレン君は膨らませていた頬をもとに戻し私から本を奪い胸に抱く


グレンくん、鋭い。でも、まさかキスしたなんて子供に言うわけにはいかないし


だらかって、なんて誤魔化したものか…


「えーと、その」


「…?」


うっ、そんな純粋な瞳で見ないでよっ


言い訳したいけど、しにくいよっ


「あの、その…」


つい言葉が出てこなく、視線をキョロキョロする私にグレン君はあきれたように息をはきベッドから勢いよく降りる


「いいよ、いのり。ラブラブしてってことなんだね」


「!?」

「フェイランが言ってたよ?女の人が、男の子のお話をして視線を泳がせながら何も言わないときは、ラブラブした時だって」

「えっ」


「なら、お兄様が帰って来たら僕は邪魔者だから、帰る!」




「ちょ!グレン君!」


私も慌ててベッドから降りグレン君を追いかけると、クルッと振り返りプイッと視線を反らす




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