二重人格神様
「はい、ありがとう、ございます…」
「ううん…ごめん。色気のない逢い引きだね」
「………」
「じゃあ、行くから」
「…はい」
そう言い、海鈴さんは振り替えることなく屋敷の中に姿を消した
それと同時に頬を伝う涙に綺麗な月がぼやける
「…」
なによ、本当に色気のない逢い引きだった
まさか、こんな話をされるだなんて
最後の優しさと記憶のことを思いだせば、また涙が溢れてしまう
駄目、だな、わたし
なんで、なんで…なんでわたしは、こんなにも…
「…弱いんだろうっ」
それから、暫く…私は動くことが出来なった。
ーーー………
「あーあ…悪い主だこと」
「…………」
いのりのもとを去り、海鈴が屋敷内に入ると腕を組み壁に寄りかかりながら笑みを浮かべフェイランがいた
「悪い主?心外だよ。僕はいのりを守りたいだけだよ」
「えぇ、そうね。わざわざ手間をかけあの家を監視してるし、小鳥ちゃんのために怪我するしね」
「なら、悪くない」
「それはね、でも俺が言うのはそれじゃない」
組んでいた手を離し海鈴に近づき肩に手を乗せる
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