二重人格神様
第4章
本当のこと
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「では、こちらをお使い下さい」
「…うん…ありがとう…」
数時間後、あれからなんとか気持ちを落ち着かせたあと、私はアレスと共に屋敷に戻った
その頃には太陽はすっかり沈み下弦の月がキラキラと輝き美しく深界を照らすなか
私はアレスに促されるまま、お風呂場にいた
「あとで、着替えも用意させますので」
「…わかった…」
アレスが差し出してきたタオルを受け取り胸に抱えると彼はわざとらしく私から視線を反らす
「あの、それでですね…何度も言いますが、これは安全のためでして…私は絶対に見ませんので、安心してください」
「…え?……あ…うん」
実は屋敷に戻ったあと、追いかけられ襲われ身体が汚れてしまい、お風呂にはいることを提案してくれたのはアレス
いつもなら、屋敷に使えてる女の神様が付き添ってくれていた。でも、今日は襲われたから、アレスが心配で近くにいると言ってくれたんだけれど…
「アレス、もうそれ10回目だよ…わかったってば」
そう、アレスは10回も見ないと言うのだ
「で、ですか…自分で言っておきながら主の花嫁様の入浴に配下である私がご一緒していいのかって言う葛藤がありまして」
「………」
へぇ、分からなくもない。だけど……
「あのさ、そんなに言われると逆に厭らしい…よ」
「…え!?」
私の言葉にアレスを目を大きく開きパチパチと動かす
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