二重人格神様
やっぱり、か…
アレスも認めたんだもん。ルーテルさん達に言われた以上に胸が痛いのはアレスなら間違いがないって信じてるから
「そ…か」
「…」
「もう、海鈴さんも女にだらしないんだから」
「………」
「そんなんじゃ…本当に大切な相手に出会った時…大変だぞ…」
まぁ、海鈴さんが彼女達の中から本当に花嫁を選べば大変ではないけれどねー…
「…」
なんか、さらに気分が落ち込んでしまった
少し話したことを後悔し、頬を伝う汗を拭うと不意にアレスが言う
「…いのり様?」
「…ん?」
「一応、主の肩を持たせて頂きますが…確かに海鈴様はだらしないです。来るもの拒まずなので、抱いたとしても何も思ってないでしょう」
「…そう」
「ですが、いのり様だけは…たぶん…海鈴様にとって特別だと思います」
「え?」
アレス、何を言って…
「そんなことないよ。特別ってからかわれた事はあるけど、海鈴さんは私のこと何とも思ってないよ」
「なぜ、そう思うのですか?」
「なんでって、だって…私は何もされてない。キスだけだし…それって魅力がないって事でしょう?だから、違うよ」
「そうでしょうか?いのり様は分からないと思いますが、いのり様がいなくなったと海鈴様に伝えた時…一目散に誰よりも早く城下に向かったのは海鈴様です」
「………え?」
初めて聞いた話に、耳を疑う
・