二重人格神様





理由など、どうでもいい



好きになったらいけない、確かに私は心のどこかでそう思ってたのかもしれない



海鈴さんは別世界の神様だって、私は偽装花嫁だからって……そっか、私は馬鹿だな…




私の心はもう決まっていたのかもしれない



海鈴さんといるとドキドキするし、触られてもイヤじゃない。キスだって…身体が可笑しくなる感覚に襲われる



それは、わたしが…海鈴さんのことを……










「…好き」


「え?」



「アレス、どうしよう…」


「…いのり様?」


「私ね…わたし、わたし…海鈴さんが好き…」



「………」



海鈴さんのこと…好きなんだ


海鈴さんが好きで、大好きになってた



初めて口にして、その本当の気持ちに気づいた




どこが好きとか、わからない。でも、私は…彼が好き



そうアレスの目をみて言えば、彼はにこりと笑い椅子から立ち上がる



「やっと、言いましたね」


「…っ」


「それで、いいのです。いのり様」


「アレス」


私の手を握り、そのまま指に触れるか触れないように唇を落とされる


「そうと、決まったら行きましょう」


「へ?」


「海鈴様の元に、城下でのことも仲直りしなくてはなりませんからね」



ちょっ、それって今から!?







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