二重人格神様



「大丈夫だから、もう過ぎたことだし、気にしすぎ」


「…でも」


「約束したじゃないか、今日はずっと傍にいると。それとも、約束破って良かったのかい?」



それは…いやだ。だって、私を選んでくれて嬉しいと思ったもん



「ごめんなさい…本当は嫌です」


「なら、いいじゃないか」


「…けど、アレスの反応をみる限り、大切な方だったんじゃないですか?」


「あー…」



瞳を細め、何やら考えるように唸ると私から手を離し首を傾げる



「大切では、ない…」


「…?」


「あぁ、言っておくけど女じゃないよ」


「は、い?」


いや、思ってないけど…もしかして、気を使ってくれた?


嬉しいけど、大切じゃないってどうゆう意味なんだろう


言葉の意味が理解できず、海鈴さんを見つめていると、彼は不意に立ち上がり屋敷を囲み広く広がる湖の彼方を見る




「あの方って言うのは、僕たち…全ての神達の傍観者なんだ」


「…傍観者?」


海鈴さんに続くように立ち上がり同じ景色をみる



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