二重人格神様




「そう、僕達の誰よりも強大な力をもつ神様で。全ての世界の…言わば王様かな」


「え、それは海鈴さんじゃないんですか?」


この天界には4つの世界があり、それぞれにはみな…王様がいる。無論、海鈴さんもその一人。そう教わったような…



「そうだよ、それも正しい。だけど、そうだな…それを話すと話が長くなってしまう。だから、止めよう。知りたくないだろう?神の醜い歴史なんて」



「…」



神様の歴史…


その言葉に胸が痛くなる。


私は、神様の歴史はしらない。そのことを昨日、ルーテルさんにも言われた



話す必要がないと思われてると



けど、知りたい。海鈴さんはきっと自分からは話してくれないだろうから


海鈴さんとことも、この世界の歴史も知りたい



だって、好きだから…


「あの、海鈴さん」


「…ん?」

「話してください、わたし、知りたいです。色々と」


「…」

「たぶん、私に話しても何にもないですけど、聞きたいです。せっかく、2人きりですし…駄目、ですか?」



彼の服を握りしめ、見上げるように見つめると一瞬目を反らしニコリと微笑む



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