二重人格神様

歴史とあの方





「どうしたんだい?妙に積極的だね」


「…それは…」


「いいよ。分かった。せっかくだし、話そうか。花嫁としていのりにも知っていて欲しいから」


「え?あ、は…はい!」


良かった。胸を高鳴らせながら、彼を見つめていると海鈴さんは空をみあげる



「そうだな、あ、そうだ。人間と神は元は同じ生き物だったって話は知ってるよね?」


「はい、それは聞きました」


同じ人間で長い時を過ごしたけど、次第に力をもつ人種、言わば神と力を持たない人間に別れたと


「そうか」


「それで、力を持たない人間と神との間でわだかまりができて、戦争が起きたと」


「そうだね、だけど、それは少し違うかな」


「…?」

「わだかまりだけなら、僕達神は我慢が出来た。現にわだかまりが出来たころから、人間と神は同じ地上にいながら、別にに生活してきたから」


「……」


「憎まれても、傷つけられても回復力の強い神達は我慢し、絶対に人間には手は出さなかった」


「そう、なんですか…なら、どうして…今は…」







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