二重人格神様
「…は、はやい」
そんなグレン君の出て行った扉を眺めていると不意に海鈴さんが椅子から立ち上がり私に近付いてくる
「グレン、またいのりになついてきた。前以よりさらに」
「そう、です、かね…」
「そうだよ。すまないけど、またグレンのこと頼むよ」
「はい、大丈夫です。まかせて下さい」
そう言うと私の腰に手を回し、そのままドアを開ける
「?」
「送るよ」
「ありがとう、ございます」
「ううん、あ、そうだ。それより…言い忘れていたけれど、僕は今夜から数日、留守にするから」
「え?そうなんですか?」
ドアをしめ、グレン君の部屋に向かおうとする中、そんなことを言う
「あぁ、実はさ、本格的にいのりの父親を僕が探しに行こうかと思って」
「…お父さんを?」
そうだ、そう言えばかなり前にお父さんが行方不明だと言われた。探してもいないと
不安だったけど、ここの所、色々あったから忘れていた
「やっぱり、見つからなかったんですね」
「うん…2日前に、人間界のスウェーデンと言う国での目撃があったらしいけれど、見失ってしまったんだ。だから、もう一度行き気配を辿ってこようかと」
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