二重人格神様




「スウェーデン、ですか?」


「そうだよ」


「どうして、そんな所に」


「どうしてだろうね。でも、手がかりが欲しいから行ってくる」


「わかり、ました」


「うん。しばらくは、アレスを部屋の前に待機させるし、なるべく早く帰ってくるから、大丈夫だよ」



私を不安にさせないためだろう。彼の優しい口調から伝わってくる


「わかりました。大丈夫です。海鈴さんも無理しないで下さいね」


「あぁ、わかったよ。あ、そうだ。何かお土産でも買ってこよう。欲しいものないかい?人間界で好きだったものとか」


「んー、なんでもいいですよ。海鈴さんが選んでくれたものなら」


なんでも、嬉しい。私のために選んでくれたわけだし…



「人間は…いや、君たちは欲がないね」


「君たち?そう、ですか?」


「そうだよ、他の界の花嫁…扇李の花嫁も紫音の花嫁も人間なのに欲がない」


「それって、海鈴さん以外の王の花嫁ですか?」



軽く、聞いたことはある。4人のうち、紫音さんと扇李さんは人間の花嫁がいるって



「そうだよ、まぁ、もう花嫁じゃなく正式な伴侶だけどね。扇李は子供もいるし」


へ、へぇ…そうなんだ。


「僕たちは、どうやら…似た者同士を愛してしまうみたいだ」


「どういう意味ですか?それ」


「秘密」



秘密って…気になるのに


それから、その言葉の意味を聞いても誤魔化されてしまった


部屋につくまで、聞いても聞いても誤魔化されて、最終的には聞けなく




その日、海鈴さんと別れたのであった






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