二重人格神様
第5章
初めまして、花嫁
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それから、海鈴さんは私に言った通り、かえって来なかった。
まだかな、まだかな…なんて毎日首を長くして帰ってくるのを待ち夜になれば窓を眺め彼の姿を探した
数日なのに、何年も待っているような気持ちで寂しくて、会いたくてとてももどかしかった。
そんな寂しい生活が続いたある日--……
「…え、私にお客さん?」
「そうよ」
いつものように朝、目を覚まし朝食をグレン君と食べ屋敷内の一室で休んでいるとフェイランさんが訪ねてきた
いつもアレスが来るのにその日にかかりフェイランさんで嫌な予感がしながらも耳を傾ければ、私に来客とのこと
「あの、いったい誰でしょうか?」
私に来客だなんて……この世界に私を訪れる者なんているはずがない
恐る恐る言えばフェイランさんは腕を組みニコリと微笑む
「王様よ」
「王様?」
「違う世界のね」
違う世界…
その意味はなんとなくわかった。それってまさか…
「海鈴さんと、同じ…王様のかたですか?」
タイミングがいいのか、海鈴さんが人間界に行く前にほかの王様の話をした
だから、記憶に新しい
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