二重人格神様
「そう、正解」
手でオッケーマークを作り微笑むフェイランさんに私は思わず苦笑いを返す
「は、はは…そうですか…あの、でもなんで私を」
会ったこともないのに…
「決まってるじゃない。海鈴様がいないから、暇つぶしに人間の花嫁でも見ておこうかなって意味よ」
「興味本位って意味にしか聞こえないです」
「それも、無きにしも非ずね」
「……」
「まぁ…いいじゃないの。それより、会ってくれるかしら?」
「……でも」
花嫁でけど…微妙な立場だし…堂々と花嫁です!なんて挨拶をするなんて…
しかも、王様に。海鈴さんと同じ立場のかたに…いいの?
不安が襲い、ギュウと服を握るとフェイランさんが組んでいた手を離し頭をかく
「あー、もう。迷わないの!彼は小鳥ちゃんに会いたいって名指ししてきたんだから!断れば、海鈴様の顔に泥を塗るのよ」
「そ、そうですけど…てか、名指ししたんですか?」
「そうよ。海鈴様もいないし断ろうとしたら名指しされたから断れなかったの」
「な、なんで名指しを」
「知るかそんなの!めんどくさい!とにかく行くわよ!!」
「ちょ」
私の腕をつかみ乱暴に部屋から連れ出される
そ、そんなぁ!
そしてそのまま私はフェイランさんに連れられて行くのだった
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