二重人格神様




「も?」

「うん、フェイランは…僕がこの街に来た理由知っているよね」


「小鳥ちゃんのパパでしょ?あ、もしかして見つかったの?」

「…」


左右に海鈴が首を振る



「まだだよ。と、言うより、やはり気配はあるのに姿がない。ずっと張り込んでいるしアレスの部下に24時間この街を徘徊して貰っているが…まったく」


「そう、なの」



「あぁ、しかもそれだけじゃない…僕も姿をかえ人間に聞いてみたが…誰も目撃者がいない。小さな街だし、異国の人間だから目立つ…だから目撃者がいないのはおかしい」


「…確かに、そこまで来るとおかしいわね」



顎を触りうねるフェイラン



そんな彼を見つめ海鈴は口を開く



「だから、考えた。いのりの父親は誰か…奴らじゃない…違う神に匿われてるんじゃないかって」



思ってもいなかったことを言われフェイランは目を大きく見開く



「誰かって…まさか。だって海鈴様の…王を欺くことの出来る神なんて…この世には…」





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