二重人格神様

「はは、紫音？それは嫌みかい？」



「…」


「まぁ、そう思うのも無理ない。事実…僕は神の花嫁しか迎え入れてなかったからね」



「あぁ、昔も今も」


「うん…あ、でも…迎えたい子はいたよ？振られたけど、意味…分かるよね？紫音」



「海鈴、そのほうが嫌味に聞こえる」



「当たり前だよ。僕の大切な女の子を奪ったんだから…嫌みの一つくらい言わせて欲しいよ



「…」


返す言葉がないのか、紫音は黙りこみ気まずいそうに顔をそらす



「それは…」


「いいよ。もう、気にしてないから。今は彼女がいるし」



「…………」


「それに、彼女…紫音の花嫁は幸せそうだから。よく、話をきくよ？二人が熱々だって」



「…………」


「ねぇ、紫音」


「…あぁ」


「本当に、凜は元気？」


「元気すぎる」


「泣かしてないよね？」


「…たぶん」


「そこは、泣かしてないって言ってよ」


「…」


「はぁっ、どうして、こんな無愛想で無表情で冷たい奴がいいんだろうな」


「…余計なお世話だ」


「お世話くらい、やかせてよ。心配なんだから、友人として…ね」



海鈴の少し曇った表情に紫音は息をのみ、背中を向ける



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