不思議電波塔



「『そんな綺麗事だけじゃ生きられないこともある』と言われたら?」

「『それは仕方ないね』って言うと思う。他人にまで綺麗事を押しつけようとは俺は思わない。それで傷つく人間はいるかもしれないし。ただ『くだらない人間』を演じながら、心の何処かで、そういった『くだらない人間』から解放されたり癒されたい人間はいると思う。だから俺は俺の思ったことを物語に書いている。それだけだ」

 話しながら由貴の脳裏には、セラミスと出会ったユニスとイレーネのその後の物語が回っていた。



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