不思議電波塔
ユニスと話をしてみたら由貴の考えている全体像が見えて来るのではないか──涼はその考えにたどり着く。
「ユニスも眠れないの?」
「はい。少し仮眠はとったのですが。このような時ですので、眠れない者は多いようです」
「眠れないなら話を聞かせて。涼、どうしていいのかわからないから。何か出来そうなのはわかるのに」
「わかるんですか?」
「わかる。ユニスと話をしてみたら、たぶんもっとわかるようになると思う」
ユニスは「差し支えなければ私の部屋で話しましょう」と言ってくれた。
涼は頷き、ユニスについて行った。
*
ユニスの部屋の窓際の椅子ではイレーネが眠っていた。
小脇にランスを抱えたままの姿勢でうとうとしている。何かあればすぐに出られるようにという姿勢が窺えた。
ユニスは静かに声をかける。
「イレーネ。休む時はきちんと身体を休めてください」
眠りが浅いのか、イレーネは「大丈夫」と答え、目を覚ました。涼の姿を見て「おや」と目を細める。
「ユニス、こんな時間に由貴の姫君を私室に連れ込んだら、ひどいことになるんじゃないの?」
「あなたという証人がいるのに?なりませんから」
「ふーん。なるほど?」
軽口を叩いて、イレーネは涼に座るよう勧めた。
「どうぞ。…何かあった?」
イレーネは親しみやすい表情で話しかけてきた。ランスを抱え、立ち上がる。
「大事な話なら席を外そうか?」
「いえ、いて構わないのなら、ここにいてください。涼が私たちのことについて知りたいと言うので、その話をしたいだけなのです」
「こんな時間に?何かと思ったよ」
「眠れないので。あなたもそうでしょう?」
「…そうだね」
イレーネとユニスと涼はひとつのテーブルを囲んで座った。