不思議電波塔
ユニスとイレーネはリュールとノールを起こしに、涼は四季と忍を起こしに戻り、ユニスの部屋には深夜から人が集まった。
綻びは待ってはくれない。それでなくとも『尾形晴』という存在がいいように筋書きを書き換えているのかもしれないのだ。現在進行形で。
話が出来るなら早いうちで話しておいた方がいい。
「──涼の言う『ジャスティが呼んでいる』話はわかったが…」
リュールが難しい顔で腕組みをする。
「肝心の由貴は何処に行ったんだ?まさか『尾形晴』に絡まれているとか、妙なことにはなってはいないよな?」
「…あ」
四季が声をあげ、微笑んだ。
「大丈夫」
「四季?何か知っているの?」
「ううん。今、由貴の声みたいなもの、聴こえた。僕の中で。大丈夫だから話進めていいよって言ってる…みたい」
「…みたいというのは何だ」
リュールがいまいちはっきりしない四季の言い様に突っ込みを入れてくる。
四季は困ったように答えた。
「実際の声で言われているわけではないから。心の声があるとしたら、とても聴こえにくいものだと思うんだけど、そんな感じ」
「それは四季くんにだけ聴こえるの?」
聞いたのは涼だ。
四季を除いて、みんな首を振った。どうやら四季だけのようである。
四季は話した。
「僕、白血病で倒れた時に由貴の骨髄液分けてもらって、骨髄移植してるから。その影響かわからないけど、四季には伝わりやすいみたいだから四季に伝える、って言ってる。役目、があるんだって。ユニスは魔法力、イレーネは護力、リュールは物理攻撃、ノールは変換能力、僕は創造力、忍は移動能力、涼ちゃんは未来視。涼ちゃんの未来視の力は道を切り開く希望の鍵のようなものだから、絶対壊さないようにしてって」
「希望がなければ未来なんて思い描けないものね」
忍が言った。
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