不思議電波塔



 ルナはカイにも目を向けた。

「あなたも」

「え?お、俺?」

「はい。その者のそばにいる者も何らかの力を持つ者だろうと。あなたはこの方のご親友ですか?」

「親友って言えばそうだけど…。いやいやいや、俺は絶対違うから。ジャスティはちょっと変わった力持っているっぽいし、運動神経も抜群にいいんだけど、俺はそんなことねーし」

「いえ…そういう力のことではないのです。ご親友なのですね。それがあなたの持っているもののことです」

「え…。えーと…ごめんなさい。親友っていうのが意味があるの?よくわからないんだけど」

「はい。難しい話をしてしまってすみません。すぐにはわかる話でもないので、今は耳にされるだけでも結構です。本当はこのような役目はフィノ様の最も近くにおられるイレーネの方が相応しいのですが、イレーネは訳あって現在リオピアの方に赴いているのです」

「イレーネってイレーネ・スフィルウィング…?」

「はい。ご存知でしたか」

「うん。イレーネの方はわかる」

「フィノ様の写真は見たこともないのに、何でイレーネのことはわかるんだよ」

「え?えーと…。何でだろう?」

 そういえば、イレーネの顔がわかるのがジャスティには不思議だった。何処かで会ったことがあるのだろうか。

 思い出せなかった。

「私と一緒に来ていただけますか?」

 ──その時である。

 天が開け、極彩色のオーロラのような光が、空を埋め尽くした。

 その向こうから、白い翼を持った天馬が駆けてくる。

 ルナの時とは違った天馬の現れ様。ルナは「すごいわ」と顔を輝かせる。

「あれは本当の天馬よ。イレーネだわ」

「え──」

「い…イレーネ?イレーネ・スフィルウィング?」

「間違いないわ。こんな輝き方をするのはイレーネだけだもの」

 天馬は少女を乗せていた。黒髪の。

 軽やかに天から舞い降り、ジャスティとカイとルナの前に立つ。

 少女が天馬から降り、天馬の姿がふわりと風に見えなくなり、人の姿になった。銀髪の少女騎士。

 その少女騎士はルナの姿を見ると、目をまるくした。

「ルナ?…驚いた。どうしてここに?」



< 159 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop