不思議電波塔
ルナはカイにも目を向けた。
「あなたも」
「え?お、俺?」
「はい。その者のそばにいる者も何らかの力を持つ者だろうと。あなたはこの方のご親友ですか?」
「親友って言えばそうだけど…。いやいやいや、俺は絶対違うから。ジャスティはちょっと変わった力持っているっぽいし、運動神経も抜群にいいんだけど、俺はそんなことねーし」
「いえ…そういう力のことではないのです。ご親友なのですね。それがあなたの持っているもののことです」
「え…。えーと…ごめんなさい。親友っていうのが意味があるの?よくわからないんだけど」
「はい。難しい話をしてしまってすみません。すぐにはわかる話でもないので、今は耳にされるだけでも結構です。本当はこのような役目はフィノ様の最も近くにおられるイレーネの方が相応しいのですが、イレーネは訳あって現在リオピアの方に赴いているのです」
「イレーネってイレーネ・スフィルウィング…?」
「はい。ご存知でしたか」
「うん。イレーネの方はわかる」
「フィノ様の写真は見たこともないのに、何でイレーネのことはわかるんだよ」
「え?えーと…。何でだろう?」
そういえば、イレーネの顔がわかるのがジャスティには不思議だった。何処かで会ったことがあるのだろうか。
思い出せなかった。
「私と一緒に来ていただけますか?」
──その時である。
天が開け、極彩色のオーロラのような光が、空を埋め尽くした。
その向こうから、白い翼を持った天馬が駆けてくる。
ルナの時とは違った天馬の現れ様。ルナは「すごいわ」と顔を輝かせる。
「あれは本当の天馬よ。イレーネだわ」
「え──」
「い…イレーネ?イレーネ・スフィルウィング?」
「間違いないわ。こんな輝き方をするのはイレーネだけだもの」
天馬は少女を乗せていた。黒髪の。
軽やかに天から舞い降り、ジャスティとカイとルナの前に立つ。
少女が天馬から降り、天馬の姿がふわりと風に見えなくなり、人の姿になった。銀髪の少女騎士。
その少女騎士はルナの姿を見ると、目をまるくした。
「ルナ?…驚いた。どうしてここに?」