不思議電波塔
ニオブラントが午後2時になった頃、フィノはそれまでになくはっきりと、少年が見える予兆があったのだという。
ユーノヴェルティで午前2時頃に、涼が「ジャスティが呼んでいる」と感じ始めた時間とそれはピッタリ合っていた。
時間をかけず空間を渡るのに最も良いのは、天馬や飛龍といった、時の影響を受けない者たちであった。
ジャスティのもとへ訪れるのが天馬の使者である筋書きを書いたのは、由貴だった。
それゆえ、涼とフィノのふたりを見たジャスティのもとに、イレーネとルナの双方が現れたのだ。
天馬になったイレーネはカウフェリン・フェネスのあらゆるところへ、それも目指すものがはっきりとしているなら、一瞬でそこへ跳躍できる。
背に乗せられるのは、ひとり。涼を乗せ、イレーネはジャスティのところへと跳んだ。
ジャスティと涼が出会うのを感じ取った四季は──由貴が眠っている間は四季に「創作者」の全権を委ねたため、四季にはわかるようになっているのだ──リオピアの宮廷にいる自分たちがフィノとジャスティに会えるよう、忍に話す。
チョコレート人形の揺葉忍が使えたような移動能力──こちらの忍の場合はまだカウフェリン・フェネスの世界だけという制限はあるのだが──が使えるようになっていた忍は、イレーネと涼に合流出来るようゲートを作り出した。
そしてユニス、ノール、四季、忍は、リュール率いる飛龍に乗り、イレーネを頭とする天馬の群れの波に加わったのである。