不思議電波塔
ここに集められることになった者のそれぞれの経緯を聞いたのち、ジャスティが口を開いた。
「あの…。僕、どうして自分が『天命と運命を背負う者』なのかわからないんですけど。僕の出生に不明な点が多いことについてや、青龍の目の加護があり5年間眠りについていた時期があったことはじーちゃんから聞いています。じーちゃんは『お前の意志に関わらず、お前はそれを背負っているから、時が来れば自ずとわかる』と言っていました。『カウフェリン・フェネスの命運を定める者』とは何ですか?」
しん、と場が静かになる。四季は由貴の真意と伝えたい物語を理解していたため、あえて語らなかった。
語るのは出来るだけ「カウフェリン・フェネスに存在し、これからを背負って行く者」が良い。
彼らがこの世界に生きる者だからだ。
しばししてノールが発言した。
「人には誰にも命というものが与えられています。同じように。けれども他者にきわめて大きな影響力を及ぼす者とそうではない者がいるのです」
ジャスティがノールを見る。
実質上、現リオピアの政務を束ねているのがノール・メイエだ。
10年前の動乱の時に、ユニスの囮となりフォーヌの大軍を攪乱させた才を持つ者。
「私は庶民の出の者です。私の生い立ちからすれば、今の私の姿など、幼い頃の私には想像もつきませんでした。ですが、私はユリウス王に目をかけていただきました。それだけで、それまでの生き方が激変してしまったのです。王は私に、『お前には役目がある』と言われました。『どのような役目ですか』と問うと、『私がお前を選んだのだから、いずれ、お前の主君はユニスになる。その時にお前が何が出来るのかをお前がわかっていればよい』と答えられたのです。私は自分で考えるべきことなのだと悟りました。ジャスティ様は、ハロン国アミステイル王家の王子だということをお聞きしました。それはジャスティ様も初めて耳にすることで、わからないことが多くあるものとお窺いします。ですが、その立場にあるということを理解するようになると、どうすれば良いのか、見えてくるものなのです。そしてそれが『ジャスティ様のすべきこと』であるのです」