不思議電波塔



 由貴と忍は壁に現れたカードに触れて行く。

 由貴のふれた門のカードと、忍のふれた人物のカードがすべて一致すると、由貴の手中には全タロットカードが収まり、忍のいる部屋にはユニスたちが現れた。

 ふたつの部屋に新たに絵が出現する。

 由貴の部屋と忍の部屋を繋ぐ絵だ。

「会長は忍ちゃんにタロットカードを渡して。ユニスたちは会長の部屋にワープして。それで会長の手元にユニスたちが戻ることになる」

 由貴が忍にタロットカードを渡し、ユニスたちが全員由貴の部屋に移動すると、塔の上へ抜ける階段が出現した。

 ゴゴゴゴゴ…。

 塔が震え始める。

 涼は、絵の向こうの四季に叫んだ。

「四季くん、急いで涼のいる部屋にワープして。それから15階の部屋に行くの!」

 四季は無事に弾き終えられたことで、動けなくなっていた。

 涼の叫びを聴いたのか、忍が本能的に動く。

 忍は涼の部屋に移動すると、さらに四季のいるピアノの部屋に移動する。

「忍ちゃん!」

 忍が四季にふれる。

『四季、お疲れさま。帰ろう』

『…忍』

 ふわりと忍の姿が天馬に変わった。

 忍は四季を背に乗せると、涼の部屋に移動してくる。力強く言った。

「行こう、涼」

「──忍ちゃん」

 涼と忍と四季は、由貴の部屋へと移動する。

 由貴とユニスたちは、全天の見える塔の上へと上り詰めた。



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