天使の瞳
「ごめん、今日だけ」
「悪いけど俺、ねーちゃんとは出来んから」
「は?」
「だからセックス」
「あんた、本間アホやな。…タクと一緒やわ」
「俺、タク先輩の弟子やから」
「まじアホ」
小さく呟いてタオルケットに包まる。
誰かと…誰かと一緒じゃなきゃ眠れそうにない。
それが例え弟の歩夢でもいい。
「音羽?…音羽!?」
暫く経って聞こえて来たのはお母さんの声。
それが徐々に近づくと、開いたドアの隙間から明かりが差し込んだ。
「音羽!アンタなんでこんな所にいるの!?」
あまりにも驚いたのだろうか。お母さんの声は凄くビックリした声。
「つか、それ俺が聞きてーわ。狭いっつーか邪魔」
嫌そうに言った歩夢は深いため息をつきあたしが包まっているタオルケットを奪い取る。
「音羽、何してるの!?」
「寝ようと思って」
「自分の部屋に行きなさい」
「そうそう、自分の部屋行けや」
耳元で離す歩夢のうざったい声が張りつく。
そんな話さえ無視するようにあたしはベッドに顔を沈めた。