天使の瞳
「それと、歩夢!!クーラーの温度上げなさい」
「あ?何で?」
「冷えすぎだから風邪引くわよ」
「そんなんで引かへんわ!!つーか何!?」
ちょっと不機嫌になった歩夢はもう一度深いため息を吐き捨てる。
「あー…音羽。あんたお金どうしたの!?」
問い掛けてくるお母さんの声にあたしは伏せていた顔を少し上げる。
「…お金?」
「そうお金。病院代どうしたの?」
「…あ、タクかも…」
そう言えば払ってない。
それにお金なんてあまり持ってなかった。
全然気にしてなかったけど、タクが払ってくれている。
「もー保険証ないんやったらタクくん結構払ってるんじゃないの?」
「さぁ…」
「本間に音羽は!!お金置いとくからタクくんに返しときなさいよ」
「はーい」
「何?ねーちゃん病院行ったん?」
お母さんが出て行った後、歩夢は不思議そうにあたしを見た。