天使の瞳
「えー…ないで。つか、俺の未開封のメールばっかやんけ」
「あるって、良く探してよ」
「探してもないっつーねん」
「ちょっと貸して」
あたしは戸惑うタクから携帯を奪い、数日目のメールを探した。
だけど、いくら探しても探していたメールは見当たらなかった。
何度も何度も探して探してしたけど、ほとんどがタクと千穂のメールだった。
「あれ…何で?」
「どーしてん、音羽」
「あったの、あったんやって」
「何が?」
「赤文字で、死ねって書いてあった」
「は?」
「ほんまに見てん」
「誰から?」
「分からん、宛先なかったし」
「見間違えちゃうの?」
「違うもん!!ホントに…ホントに来たんやもん」
「音羽…疲れてるんちゃう?この前から変や。悪いな、誘って。送ってやるから帰ろ」
あたしの手を引いて足を進めて行くタク。必然的に着いて行くあたしの足は縺れそうだった。
疲れてなんかない。
おかしくなんてない。
おかしいのはあたしの周りに起こっている事や。
だって…
本間にそうやもん。