年下の不良くん

「おっ、コイツ寝てんじゃん~♪」

案の定、武蔵くんが寝ている翔くんの鼻を摘まんで遊びだした

いつものことだろうし放っておこう

少し心配しながらも、夕飯の支度があるので私達はキッチンへ

「お鍋しようと思って♪」

と言って、優美はスーパーの袋からたくさんの食材を取り出していく

「たくさん買ってきたんだね」

すっごい量だな…

「あ、やっぱり??
私も買い終わって気づいたの」

「まぁ、男の子二人もいるし、きっとすぐ無くなるよね」

「あはっ、そうだね」

優美に野菜等を切って貰ってる間、私は棚からお鍋を取り出してテーブルにセットする

「ちょっ、マジうぜぇ」

まだソファーで二度寝しようとする翔くんを、ちょっかいをする武蔵くん

「起きろって~
俺、お前と遊ぶ為に来たのにさ~」

「うっせぇ、黙ってろ」

ん??
翔くんていつもこんなに寝起き悪かったっけ??

「ねぇねぇ、武蔵くん」

ちょいちょい、と寝招きする

「何、りりかちゃん」

「翔くんて、寝起き悪いの??」

本人が聞いたら、何か言われそうなので、内緒話で聞いてみた

「もうそりゃ!!
学校とかみんなこれを嫌がってさ、毎回この役目は俺にさすんだぜ!?」

マジ俺かわいそう、とぼそりと呟いた

「そ、そうなんだ
なんか、ごめんね??」

知らなかった…

いつも私が起こすときは、甘えん坊になるだけだから

「…おい、てめぇ
いつまで耳打ちしてんだよ」

寝ていたと思っていた翔くんが、急にドスの効いた声で怒った

「はっ!?ちげーよ!!」

「違っ、私が悪いの…!!」

「んなことで、いちいち妬くなよ~」

え、それはないよ!!
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