年下の不良くん
「悪いな、わざわざ放課後に引き留めてしまって」
「いえ、大丈夫です」
「ありがとうな」
そう言うと、先生は腕を組むと下を向いて、何かを考えている
「えと…あの、先生…??」
「……う~ん~…
こんなん聞いても良いのかな~…」
何かを凄く迷っている様子
そんなに何を悩んでるのかな??
先生の考えがまとまるまで、私は静かにそれを待った
「…俺が聞いても良いもんか、わからないんだが…
お前、清水翔と何かあったのか??」
「へっ??」
思ってもみなかった発言に、私は開いた口が塞がらない
「俺、今年、アイツの担任してて、最近また授業に出てないと思ったら、学校に来てないらしくて」
「………」
「ほら、お前アイツの彼女だろ??
何かアイツから聞いてたり、知ってたりしてないか??」
……そうか、先生は私達が別れた事、知らないのか
いやまず、萩原先生が私達が付き合っていた事を知っていたと言うのに、驚きが隠せない
「…先生??」
「何だ」
「…翔くんとは、最近別れたの
だから、何も知らない」
力無く微笑むと、先生は苦虫を食べた様な表情をした
「……嫌な事を言わせて悪かった」
ぺこりと頭を私に下げて謝る先生に、私は慌てたそれを止める
「先生っ、止めてください…!!
大丈夫ですからっ!!」