年下の不良くん
“困る”──そう思った
春樹はお兄さん的存在で、春樹から良くしてもらっているが、そんな感情を抱いたことは一切なかった
いつだって、私の感情を支配するのは唯一人の翔くんであり、それはこれから先も揺るがない
今だって戻れるならば、また、彼の隣にいたい
だけど、それが通用しないのが事実であり、今の現状
そんな気持ちの私が、彼の告白に答えられるわけがなかった
「…ごめん、普通に困らせてしまったね
風呂に入ってくるよ」
俯き黙り込んだ私の頭を一回優しく撫でてから、春樹は席を立った
彼の言葉に返すことが出来なかった
思い浮かぶ言葉はどれも、春樹を傷つけるばかりのもので…
だからといって、自分に嘘が付けるかと言われれば、そうではなく…
自分の態度が、両者を傷つけている…
そう痛感せずにはいられなかった