年下の不良くん
ドアの向こうの部屋は広く、人が多すぎて酔いそうである…
自然と彼の手を握る力が強くなる
「リラックス、リラックス
直ぐに慣れるから、大丈夫!!」
と、優しい言葉をかけてくれた
う、うん…大丈夫、大丈夫…!!
ここには私の知り合いはいないから、話しかけられる心配もないんだからっ…!!
すーはーすーはー、と深呼吸を繰り返していると、爽さんに小さく笑われた
「もうっ、何で笑うんですかっ」
今の何処がおかしかったのか、滅多に笑わない爽さんに問うと、彼はまた小さく笑う
「お前がそこまで緊張しているのを、初めて見たと思ってな」
「当たり前ですっ
こんな大人の人がいっぱいいるところに来たんですよ??」
左隣にいる背の高い爽さんを見上げると、ぽんぽんと頭を撫でられた
「慣れない場所に連れて来られたことは同情するが、奴の自由奔放な性格なら仕方ない」
「ちょっと、爽
今のは聞き捨てならないね」
「お前は勝手をし過ぎる
少しは、りりかの事を考えろ」
「あ、二人ともっ!!
私、何か飲みたいなー??」
喧嘩が始まりそうだと思い、私は二人の手を握ってドリンクが置かれているテーブルに向かう