年下の不良くん
しばらくすると、また違う社長さんが来て、春樹は私を気遣って居なくなった
「…りりか、もう緊張はしていないのか??」
「へっ??
…そう言われてみれば、そうですね…」
いつの間にか、あれだけ膨らんでいた緊張も消えていて、何故かここに慣れてきた程だ
「食事を採ったからかもしれんな」
ニヤリと冗談目かしに言った爽さんに、つられてた私も微笑むと、後ろから名前を呼ばれた
「──りりか様」
ここに私の名前を知る人は春樹と爽さんだけであり、その他の人がこの平凡な女子高生の名前を知っている筈もない
ましてや、こんな実業家となれば尚更だ
だが、知っているとするならば、あの人しか考えられない
ゆっくりと後ろを振り返り、私の名前を呼んだ人と視線を合わせた瞬間、自分の身体が自然と強ばった
「──篠原さんと父も来てらっしゃんですね…」
振り替える先に居たのは、私を今の現状にと追いやった張本人と、その秘書
自分でも顔が歪んでいるのがわかる