年下の不良くん
春樹の仕事が一段落ついた頃に、肩をとんとんとされた
「りりか、昼食いに行こう」
「うん
…爽さんも、一緒に行きませんか??」
数時間前に戻ってきた爽さんは、先程からパソコンと格闘中
部屋には彼が叩くキーボードの音が、忙しなく響いていた
「……何処の店に行くつもりだ」
爽さんはちらりと春樹を見たが、すぐまたパソコンの画面に視線を落とす
「近くのスパゲッティの店だよ」
「…………行ってやろう」
上着をさっと着たかと思うと、すぐに部屋を後にして車を出しに行った
「素直に行きたいと言えばいいのにね
あれ絶対、誘ってもらって嬉しかった感じだよね~」
「ふふっ、どうだろね~」
少し二人で笑った後に、私達も爽さんが待っているであろう会社の正面に向かう
変わらずに廊下を歩く度に、社員さんは挨拶をしてくるし道を開けてくれる
その道を通り過ぎる時、前にいた男性が手に持っていた大量のファイルを落としてしまった
「だ、大丈夫ですか??」
慌てて彼のもとに行き、一緒に散らばったファイルを拾う