年下の不良くん
「りりかもデート??」
「うん、そうなの」
優美は私と違って私立の一般入試で大学に行くため、私よりも受験勉強に明け暮れる日々を過ごしている
「受験生のくせにデートなんてしてたら駄目だよね、はは…」
「そうだね
けど、息抜きもしないとやっていけないよ」
毎日あの分厚い過去問と睨めっこだなんて、頭がおかしくなってしまいそうだ…
「ねぇ、優美」
「なぁに??」
翔くんと小さな言い合いをしている武蔵くんをちらりと横目で見る
「本当に良かったね」
「……うん、ありがと」
長い間自分に自信が持てず、何度も武蔵くんの気持ちには応えられないと悩んでいた優美が、こんなにも幸せそうに微笑む姿を見せてくれた
私の心配ばかりしてくれる優美は、私にとってかけがえのない親友
だからこそ、人一倍幸せになって欲しいと願わずにはいられない
でも、そんな心配はいらないようだ
武蔵くんなら必ず、優美を幸せにしてくれるだろうから──