幸せになりたい
両手に花のごとく・・・大きな紙袋を何個も健太郎が持っている。

「明日からこれきて・・・」

『ねえ・・・健太郎。どうして?』

私の質問に答えぬまま駐車場へ向かう。


車に大量の紙袋を乗せた健太郎は・・・

「携帯もうすぐできるけど、ちょっと乗って」

私は健太郎の言われ、車に乗り込んだ。

『どういうことか教えて』

「琴音・・・きっと聞いたらあきれると思うから・・・
でも、俺は大まじめ。」

『なんなのよ…』

「琴音の仕事できてる服って・・・
 その・・・・
 今まで他の男たちが脱がしてきた服だろ。
 琴音が他の男思い出したらいやだから・・・」

『健太郎・・・』

そんなこと考えもしなかった。
健太郎はそこまで考えていたんだ。

きっと、私が服を見て罪悪感を持たないようにって・・・
自分のわがままのように言っている健太郎が愛おしくなった。

『ありがとう・・・じゃあ・・・健太郎の家に数着おかしてもらおうかな・・・』

「それって・・・」

『うん。そしたら、今朝みたいにバタバタしないで済むから・・・
 だめ??』

「だめな訳ねーよ。琴音の荷物、俺の家に置いとけよ。」

『うん』・・・

私は幸せだと思った
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