ましゅまろハート
大学に入学してから

初めての雨模様。


地面を濡らす雨粒が、

まるで俺の心の悩みを

洗い流してくれるような

気がした。


見慣れ始めていた校舎も

雨に濡れると

なんだか様子が変わって

見えるのが不思議に思えた。


透明のビニール傘を軽くたたみ、

俺はいつものように

今日の休講情報を確認する。


どこかひとつでもいいから

休みになんねーかな。


そんな俺の淡い

(というか屈折した)

願いが見事叶い、

昼休み後の3限が

休講になっていた。


「よっしゃ」


俺は今度は周りに聞こえないように

小さくガッツポーズする。


これで舞台は整った。


後は俺の行動あるのみ、だ。



< 82 / 164 >

この作品をシェア

pagetop