地球の三角、宇宙の四角。
手を繋いでかなくんと2人、通勤ラッシュの人の流れに逆らうようにして大通りを歩いている。
天気が悪くて、朝なのか夕方なのかがよくわからない。
「なんか、いいよね、こういうの」
と、かなくんは言った。なんのことだろうか。
「そうですか?」
目の前には黒いスーツに白いシャツの襟をはみ出させた金髪のいかにもなホスト。その後ろをファッションセンスのズレた女の人が後をついていくようにして歩いていた。
「ああゆうのがいいのですか?」
と、女の人を見ながら言ったら、「ああゆうのもいいですよ」と、かなくんは答えた。
繋いだ手を離して、かなくんを先に歩かせてみる。そうしてそのまま立ち止まっていると、かなくんは振り向きもせずに歩いていく。
【ホラ、ついて行けよ、はゆみちゃん。もー、かなくーんって言ってさ】
うるさい!
かなくんは立ち止まって振り向いた。その顔は、私のよく知るかなくんの顔ではなくて、少しイケメンになっている。
その、少しイケメンになったかなくんだけ止まっていて周りの人はかなくんを避けるようにかわして私の方に向かって歩いてくる。
その全員が私を見て笑っている。
私のことをジロジロと見て私のことを笑っている。
急に雲の切れ目から覗いた朝日が目に刺さって、頭の中が真っ白になった。
天気が悪くて、朝なのか夕方なのかがよくわからない。
「なんか、いいよね、こういうの」
と、かなくんは言った。なんのことだろうか。
「そうですか?」
目の前には黒いスーツに白いシャツの襟をはみ出させた金髪のいかにもなホスト。その後ろをファッションセンスのズレた女の人が後をついていくようにして歩いていた。
「ああゆうのがいいのですか?」
と、女の人を見ながら言ったら、「ああゆうのもいいですよ」と、かなくんは答えた。
繋いだ手を離して、かなくんを先に歩かせてみる。そうしてそのまま立ち止まっていると、かなくんは振り向きもせずに歩いていく。
【ホラ、ついて行けよ、はゆみちゃん。もー、かなくーんって言ってさ】
うるさい!
かなくんは立ち止まって振り向いた。その顔は、私のよく知るかなくんの顔ではなくて、少しイケメンになっている。
その、少しイケメンになったかなくんだけ止まっていて周りの人はかなくんを避けるようにかわして私の方に向かって歩いてくる。
その全員が私を見て笑っている。
私のことをジロジロと見て私のことを笑っている。
急に雲の切れ目から覗いた朝日が目に刺さって、頭の中が真っ白になった。