地球の三角、宇宙の四角。
瞬きをすることを忘れて、涙があふれた。
袖でぬぐう。
ありえない。でもまさか。
半身を乗りだしてカバンからケータイ電話を取り出す。着信履歴やメール履歴を見て愕然とした。
この“かなくん”という人物が課長、庄谷 奏多(しょうたに かなた)であるかもしれない。
いや、そういうことなのだろう。
ほとんどが“かなくん”で、埋め尽くされており“かなくん”専用電話みたいになってる。オマケ程度にさおりんや両親、数字だけのものがぽつぽつと並ぶ。
メールの中身を読み進めるたびに頭がズキズキと痛む。頻繁に連絡を取り合い、カレー作って待ってるから早く帰ってきてね。というメールを“かなくん”に送っているのを見つけて頭が真っ白になった。
さらに遡る。他人のケイタイを盗み見したらこんな感じなんだろうか、まるで実感が湧かないラブラブとし、イチャイチャとしたメールがズラズラと続く、普段はドSの上司との立場逆転型の甘いオフィスラブか? えずいて戻しそうになる。
それを我慢しながらメールの中身を見ようとしているとドアが開いて悲愴な顔した“かなくん?”が部屋に戻ってきた。
「課長、ごめんなさい。私……」
言葉が続かない。
彼は、下を向いたまま、両手をぎゅっと握っていた。
袖でぬぐう。
ありえない。でもまさか。
半身を乗りだしてカバンからケータイ電話を取り出す。着信履歴やメール履歴を見て愕然とした。
この“かなくん”という人物が課長、庄谷 奏多(しょうたに かなた)であるかもしれない。
いや、そういうことなのだろう。
ほとんどが“かなくん”で、埋め尽くされており“かなくん”専用電話みたいになってる。オマケ程度にさおりんや両親、数字だけのものがぽつぽつと並ぶ。
メールの中身を読み進めるたびに頭がズキズキと痛む。頻繁に連絡を取り合い、カレー作って待ってるから早く帰ってきてね。というメールを“かなくん”に送っているのを見つけて頭が真っ白になった。
さらに遡る。他人のケイタイを盗み見したらこんな感じなんだろうか、まるで実感が湧かないラブラブとし、イチャイチャとしたメールがズラズラと続く、普段はドSの上司との立場逆転型の甘いオフィスラブか? えずいて戻しそうになる。
それを我慢しながらメールの中身を見ようとしているとドアが開いて悲愴な顔した“かなくん?”が部屋に戻ってきた。
「課長、ごめんなさい。私……」
言葉が続かない。
彼は、下を向いたまま、両手をぎゅっと握っていた。