地球の三角、宇宙の四角。

「俺こそゴメン。 はゆみが大変なときに……

ゆっくりなおしていこうな」

顔を上げた彼と目があった。少しだけ笑った彼を見て、うなづくことしかできない。

「急に思い出そうとすると、脳に負担がかかることも、あるらしいから」

そういって、私の近くまで来て

「また明日も来るから」

と私の目をじっと見てきた。


この人と私がつきあっていた。

いや、つきあっている。


彼の手が、私の耳をかすめて頭を触る。そして顔が近づいてくる。私は目を閉じる。

そして、抱き締められた。

「わたし……」

「大丈夫、きっとよくなる」

きつく抱きしめられて耳と耳が離れた。

そして頬と頬が触れる。


つきあっているのだ。あたりまえのことだ。

心臓がどきどきとする。

顔が、いよいよ近いのを感じる。

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