奇跡事【完結】



「ねえ、あれ見せて」

「本当に好きだな」

「うん。何度見ても飽きないんだもん」

「そっか」


俺がいつも通り、パチンっと指を弾いて火花を出してやるとプリルはコロコロと笑って喜んだ。
それから、暫く木の上で話をしていた俺とプリル。



「そろそろ降りるか」

「そうだね」


俺は先に木から飛び降りた。
いつもそうやって、下で木から降りるプリルを受け止めていたから。


いつも通り。
そう、いつも通りだったんだ。


魔法を使う事も、プリルと笑いあう事も。



「きゃっ」



プリルの悲鳴が聞こえる。
ハッとしながらプリルのいる方を見上げた。



「プリル!?」


悲鳴を上げたプリルの後ろに誰かが立っていた。
その誰かはわからない。


顔はローブで隠れていて、見えない。

いつの間に、そこに現れたんだ?
さっきまでいなかったのに。


プリルの体を後ろから抱きかかえ、身動きが取れないようにしていた。

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