奇跡事【完結】
「どうしたの?」
「……あ、いや。すまない」
「そうだ。ねえ、手を出して」
「……手?」
よくわからずに俺は手をサーシャの前へと出す。
すると、サーシャが洋服のポケットから何かを取り出し、俺の手の上に乗せた。
それは紙に貼りつけられた綺麗な押し花だった。
「こないだね、作ったんだ。綺麗でしょ?あげる」
「……」
「あっ、いらなかった?」
心配そうな顔で覗き込むサーシャ。
余りにも昔と同じで、俺の頬は自然と緩んでいた。
久しぶりに笑った。
笑うなんて事、忘れていた。
「ありがとう。大事にする」
「そう!よかった!」
嬉しそうに笑ったサーシャ。
その時だった。