奇跡事【完結】


「……俺の呪いは、サーシャを殺してしまう事だ」

「サーシャちゃんを?」

「ああ。一度目も二度目も、意図せずとも俺が手にかけた。
だから、また同じ事が起こるはずだ」

「……」

「もう傷を付けたくない。だから、これは預かっててくれ」

「でも、剣で殺すとは限らないんじゃない?」

「そうだが、俺が他の方法で殺すと思うか」

「……わかんない。だけど、するかもしれないじゃん」

「大丈夫だ。剣がないぐらいどうって事ない」

「なら…、いいけど」



ぎゅうっとパチフィスタが剣を握り締める。
俺が傷付く分にはいい。だけど、その剣はサーシャの血を吸っているから。


もう、吸わせたくない。与えたくなんてないんだ。
サーシャが寿命を全うするまでは。



「またエレノアが邪魔しに来るよ、きっと」

「どんな誘惑があったとしても、俺は靡かないよ」

「サーティスじゃないよ。俺が心配してるのは」

「どういう意味だ?」

「……サーシャちゃんだよ」

「サーシャ?」

「エレノアのうまい言葉に惑わされるかもしれない」



……それは大いにあり得た。
今のサーシャがエレノアをどう思ってるかは知らない。

だけど、エレノアの恵みは知っている筈だ。


それなら。
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