奇跡事【完結】
忘れてくれ、そう言おうと顔を上げた時に、サーシャと視線が絡み合う。
サーシャは少しだけ頬を染め、緩く微笑んだ。
そして。
「……うん、また来るね」
そう言って、するりと俺の手を解くと去って行った。
暫く俺は放心していた。
また来る、と今言ったか?
あのサーシャとは初対面だったのに、会いたいと思ってくれたのか?
どうして。
……初対面だと思わなかったからか。
それからすぐに向かったのは、パチフィスタの元だった。
あの洞窟に行くと、突然の俺の来訪に驚いているようだった。
「んで?これを預かってて欲しいって?」
「ああ」
難しい顔で俺が今手渡したモノを睨むパチフィスタ。
それもそのはずだ。
今俺が手渡したのは、パチフィスタから譲ってもらったあの剣だからだ。
「サーシャと、また会った」
「えっ」
パチフィスタから素っ頓狂な声が出た。
気にせず続ける。