奇跡事【完結】


「私を、私を殺してっ」

「……何、があった」

「……っ」


泣いているサーシャは首を振るだけで答えない。
いきなり殺してってどういう事だ。



「落ち着け。どうした。トライシオンは。一緒だったんじゃないのか」


トライシオンの名前を出した途端、サーシャの体がビクリと揺れる。
それに俺は目を見張った。



「……トライシオンが、したのか?」

「……ち、ちが」

「……正直に答えろ」

「サーティスの、呪いが、解けるって聞いて」

「俺の?」


俺の洋服をぎゅっと掴みながら、小さく頷く。



「……私が好きなのは、サーティス。貴方だから」

「……」


サーシャが俺を、好き?

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