奇跡事【完結】

「貴方に出会って、貴方以外いないと思った。
そのサーティスの呪いが解けるなら」

「……」

「それなら、他の、……男に」

「……さ、」



声にならなかった。
サーシャはまた俺を好きになってくれたのか。


トライシオンを愛しているとばかり思っていた。


サーシャは震える自分の体を抱き締めると、俺を見上げて無理矢理微笑んだ。


「こうしたら、呪いは解けるんでしょ?
もう、サーティスが苦しむ事はなくなるんでしょ?」

「……さ、…しゃ」



小刻みに震える体。
その体にゆっくりと、腕を伸ばす。



「触らないでっ!!」


だけど、それをサーシャがぴしゃりと拒んだ
そして。



「……私は、汚いの。
サーティス。貴方だけを愛してるのに。
他の男に抱かれてしまった。
いくら貴方の呪いを解く為とはいえ。
だから。……だから……殺してえええぇぇ!!!」



そう叫ぶと、サーシャはその場に崩れ落ちた。
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