こわれもの


午後3時。

仕事合間の小休憩中。

ヒロトはケータイを片手に、簡易なスタッフルームのソファーに寝転んだ。

“アスカから、メール来ねえな……”

普段なら、人から返信が無いことをこんなに気にしたりはしない。

人間関係に関して、ヒロトは実に淡泊だった。

それは、1ヶ月連絡を取り合わなかった者の電話帳はケータイから削除するという彼の習慣からも、容易に察することが出来る。

しかし、アスカに対してそうできるかというと、自信はなかった。

彼女を、妹のように感じているからだろうか?

実際の兄弟に妹はいないが、もしいたらこんな感じなのだろうかと、想像はできる。


考えを紛らわすべくソファーから身を起こし、ヒロトはタバコを吸った。

アスカの働くコンビニで買ってきたもの。

一時期、禁煙を心がけていたこともあったが、今では、気付くと日々ニコチン摂取に励んでいる。

体に有害だと知りつつも、自分の体など別にどうなってもいいやと思っていたりする。

タバコ1本が燃えつき灰皿に落ち切る頃、短足テーブルの上に置いておいたケータイが振動した。

《新着メール 1件》

アスカから返信が来たのだろうか?

半ば期待を込めてケータイを開くと、もう二度と関わらないと決めていた相手からのメールが来ていた。

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