純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 そして、1人で下校する篠原さんを、誰にも見付からないように気を付けながら、自分の部屋へと連れ去る。

 俺の部屋は、予めマンションの管理人に頼んで防音にしてもらったため、たとえ中で大声を出したところで誰にも聴こえはしないだろう。

 そっとベッドの上に寝かしつけると、気を失っている彼女の顔をジッと見つめる。

 ……違う。最初は春香に似ていると思っていたが、よく見るとまったく違う。

 けれど、この愛する気持ちは偽りじゃない。俺は間違いなく彼女を……篠原さんのことを、愛している。

 誰にも知られたくない。誰にも見せたくない。誰にも触らせたくない。

 篠原さんは俺が守る。俺が篠原さんを守る。本田洋佑のところへなんて行かせない。危険な外の世界になんて行かせない。行かせる時は、俺がすぐ傍で守るから。

 篠原さんに嫌われてもいい。軽蔑されてもいい。怖がられても、いい。

 俺はただ、篠原さんのことを愛しているだけだ。

 俺はただ、篠原さんのことを守りたいだけだ。

 例えこの身が滅びようとも、この手で、この身で、篠原さんのことを守りたいだけなのだから。
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