彼が唄えば
「じゃあ、まずはミニーの新曲。とりあえず一回歌わせて。
 誰かさんが歌詞持ってくるのが遅すぎたから」

 後半、言葉に棘を含ませてノッポが言う。私は気づかないふりで譜面に目を落とす。

 ドラムのショウがカウントを取ってくれる。私が想定したのより若干スローペースだな、と思いながらキーボードに指を滑らせる。


「言葉 唇 指先 カラダ

 すべてを重ねたつもりでいたのに

 こぼれ おちる 君の 気持ち」
< 3 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop