禁断の実
「――お前がそういうときは、百パーセント嘘」

 残念ながら彼はビールをサイドテーブルに置いて、私に顔を近づけてくる。
 必然的に喉仏も近づいてきて、私の心臓はばくばくと音を立てる。



「そんなに全部私のことわかってるんですか?」

 唇を尖らせた私の頭を大きな掌でなでつけて、やや乱暴に深いキスを落とす。

「それはもう、隅から隅まで」

 言うと、形の良い唇を私の耳元に近づけて魅惑的な声音で甘く囁く。
「今夜何度イったか教えてあげようか?」


「結構です」


 月曜日にはまた、普通の上司と部下として顔を合わせるのだから、あまり卑猥なことを口にするのはやめてほしい。
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