FAKE LOVE【密フェチ】


それからは、ことあるごとに
雅也を女モードに変身させた。

デートの時も、お泊まりの時も
そしてもちろん、あの時も......。

女性としては、決して「美人」の部類と
はいえない私が、唯一できる代償行動。
それが「彼氏をとびっきり可愛い女のコ
に変身させる」という悪企みだった。

お化粧した雅也は、ほぼ100%女性に
見られた。
どこへいっても、相手の視線はあたしじ
ゃなく、常に雅也......。
わざと人通りの多い道に立たせて
必死でナンパするアホ男を見て、あたし
は陰でゲラゲラ笑っていた。

華奢で小顔の雅也は
たびたびスカウトにも声をかけられた。

ヘアサロンのお兄さん、名も知らぬ芸能
事務所のおっさん、果てはキャバクラの
スカウトマンにまで......。


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