†魔界戦記†

悪魔



フラフラしながらも
トードは必死に立ち上がり
カエンのもとへと歩み寄る。


「待て!!」


見ていられなかった。

結末が見えていたから・・・

トードに情が移った
ワケではない。

昔の自分を見ているようで
いたたまれなくなった

それだけ・・・
ただ、それだけだ。

後方にトードを突き飛ばし一言


「悪魔化してる時は
どんなに叫んでも
お前の声は届かない・・・」


信用していない目だな。

さっきまで敵だった者の言葉だ

信じないのも無理はない。


それにしても・・・


「なぜだ・・・
貴様は人間だった
魔族なら必ず気づいたハズ
いや、それ以前に
貴様は人だったのか!?」


矛盾している。

目の前にいるこの少年は
人間界からやってきた
れっきとした人間だ。

それはトードだけでなく
同じ所からきた仲間全員が
知っている事実である。


それならば、今ここにいるのは?

一体誰なんだ・・・。


「・・・カエンさ」


声のした方に振り返ると
死んだハズのルシファーが
ゆっくりと起き上がって
こっちを睨む。


「そんなコトは知っている!!
ただ・・・
カエンは人間だった。

それなのになぜ悪魔に?
それもこんな凶悪な妖気を持った
上級悪魔になったんだ!?」


一番の疑問
わからないコトだらけだが
これさえわかれば
なんとか収拾がつく。

私はルシファーが再び
口を開くのを待った。







「魔族だからさ」
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