†魔界戦記†



「はぁ?」


拍子抜けしてしまった。

答えになっていないではないか!!


「まぁ落ち着いて聞くんだな
悪魔とは何か?
それがわかれば
さっきの答えも見えてくる」


確かに・・・。

悪魔とは種族の名称ではない。

正確には『悪魔化』と言って
魔族の最終手段である。

魔族には二つ名と言うものがあり
悪魔になると
二つ目の名を使用する
といった形になる。

悪魔化は自らの力を何十倍にも
高めるコトが出来るが

コントロールが難しく
意識を奪われる者が大半だ。

カエンも・・・おそらくは・・・


「それでも答えになってない
魔族なら、なぜ人間界に・・・」


「カエンはおそらく
魔式封印を施されてたんだろう」


魔式封印・・・
確かに、それなら説明はつく。

魔族としての力を奪われ
誰かに意図的に
人間界に落とされたとしたら


「現にカエンは
魔界に来て力を
取り戻し始めていた

計測してみたら
魔力が俺の30倍だぞ
人間じゃねぇわな、そりゃ」


「しかし一体誰でしょうか!?
カエンを地上に落としたのは?」


ルシファーは
知っているようだった。
しかし、この答えを
遂には聞くコトが出来なかった。


「ヴアヴァヴヴヴヴヴヴァ」


『火焔』が低く唸り声を上げる。


「質問は終わりだな
火焔を止めるしかない
力を貸せよ、ミカエル」


まさかこの男に
頼み事をされるとは
思わなかった。

何を考えている?

この戦いが終われば
私は容赦なく神の御前に
突き出すつもりだというのに。


しかし・・・


「仕方ないな・・・いくぞ!!」
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