声で縛って
Voice
ピリリリー… ピリリリー…


「き、来た。」


お店を出て暫くすると鞄の中で鳴り出す携帯電話。

(マスターのお店だったし、大丈夫だよね)

携帯を手に取り、深呼吸しながらそっと耳に当てた。

「お前、今どこにいる?」

……――ッ

耳から入ったバリトンの声が全身、頭の中まで刺激され一気に鳥肌が立つ。

「聞いてるのか!」

その低い声に刺激され一瞬トリップしていた意識を戻す。

と、いうよりなんか想像より遥かに怒ってらっしゃる?

「今すぐうちに来い!!」

「弘人さんのおう..」
「当たり前だろ」


やっと出た言葉も最後まで喋らせてくれなかったよ。
完全にキレてる?
まずったかなぁ…
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